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150718・「第4表」は上昇率鈍化/最低賃金改定の目安審議/労働側、指標の問題点指摘
 2015年度の地域別最低賃金改定の目安審議で、7月15日に開かれた中央最低賃金審議会目安小委員会では、上げ幅の指標とされる零細企業の「賃金上昇率」(第4表)が示された。上昇率は昨年(1・1%)を下回る0・9%。国の試算によれば、最賃が生活保護を下回る「逆転現象」が生じていないとも報告された。これらの指標の扱われ方に労働側は警戒感を強めている。
 第4表は従業員30人以下の事業所を調べた6月の賃金上昇率。改定審議の基礎資料として扱われている。春闘の波及効果が最も薄い層に限定していることなどから、「上げ幅の指標としてふさわしくない」と労働側が指摘しているものだ。今年の数値をそのままあてはめれば、昨年の引き上げ額を下回ってしまう。
 目安小委では生活保護との「逆転」が生じていないことも報告された。今年は、安倍政権による生活扶助基準引き下げの影響が、生活保護との比較試算に反映する年。全都道府県での逆転現象の解消は、最賃が十分に引き上げられた結果というよりも、生活保護費が圧縮された影響が大きいと考えられる。
 これらは、最賃引き上げの重しともなりかねない指標だ。インフレ政策下、最賃までも実質低下となれば、「経済の好循環」を掲げる政府の姿勢が問われることになるだろう。
 中賃委員で労働側の須田孝・連合総合労働局長は16日の定例会見で、「『第4表は瑕疵(かし)がある』との労働側の主張を図らずも証明することになった」と指摘。「14年(暦年)の物価上昇は3・3%のアップ。改定ではその分を確保したうえで、今春の賃上げ分を乗せていく。そのことを主張していきたい」と意気込みを語った。

日付:2015-07-17